NISAを活用し老後資金は資産運用で増やす

NISAとは2014年に導入された少額投資非課税制度のことで、投資で得られた売却益が一定期間非課税になる制度です。2014年から始まった一般NISAと、2018年から始まったつみたてNISAがあります。2016年にはジュニアNISAも導入されていますが、2023年12月で終了します。

2020年3月に税制改正法案が可決、一般NISAとつみたてNISAは一部制度が改正され期間が延長されることになりました。2024年から一般NISAが新NISAに引き継がれます。つみたてNISAは期間が5年延長され2042年までとなります。NISAについての詳細は省略しますが、投資の売却益が20%課税のところ非課税となりますので使わない手はありません。

菅野さんの場合は、投資額(退職金750万円)と改正後のつみたてNISA終了の2042年には菅野さんは79歳になっていることから考えて、つみたてNISAの活用をお勧めします。750万円から毎年40万円を投資に充てて20年間、それを毎年毎年繰り返して、最後は19年目に30万円を投資してその後20年間運用します。

資産運用は資産形成にかなり効果が大きい!

これを活用し、仮に年率3%の運用をすれば、計算上99歳まで累積収支はプラスとなり、他の3つのケースに比べて貯蓄はかなり安定した残高を保てる見込みです。

一時金で受け取る750万円について、単純に取り崩す場合と、それを資産運用に回す場合を比較してみましょう。

750万円を単純に20年間分割で引き出すと、一年当たり約37万円ですが、20年間3%で運用した場合、複利の効果で約70万円になる計算です。ただし、つみたてNISAの運用資産を受け取り始めるのは79歳からです。もちろん、それ以前に目標の水準に達したら現金化することも可能です。

これにより60歳以降の貯蓄残高は300万円から500万円程度に平準化され、かつ長持ちします。実はこれは重要なポイントで、無駄に大きな貯蓄を持つと無駄遣いしてしまうリスクがあります。

平準化された貯蓄は資産運用によって、元本の750万円から、累計なんと1315万円と約1.7倍になる計算です。これならばお子さまへの生活支援、お孫さんへのプレゼントもできますね。