金融資産保有額が高い世帯ほど生活設計を立てている
金融資産の保有額と生活設計への考え方に相関があるのかを調べてみたところ、2人以上の世帯が図表5、単身世帯が図表6のようになりました。回答は「生活設計を立てている」「現在生活設計を立てていないが、今後は立てるつもりである」「今後も生活設計を立てるつもりはない」の3つの中から、1つを選択するようになっています。
図表5.世帯の貯蓄総額と生活設計の考え方(2人以上の世帯)単位:%
図表6.世帯の貯蓄総額と生活設計の考え方(単身世帯)単位:%
※ともに筆者作成
ここでいう生活設計とは、「将来、こんな暮らしをしてみたい」「こんな家に住んで、子どもは大学まで行かせたい」など、将来の理想の姿を思い描き、それに必要なお金を計算して計画的に準備していくことです。ライフプランニングということでもあります。
この調査によると、2人以上でも単身世帯でも、金融資産の保有残高が多い家庭ほど、この「生活設計」を「したことがある」と回答した割合が多くなっています。一方で、貯蓄がない世帯においては、「今後も生活設計を立てるつもりはない」とする回答が、貯蓄がある世帯に比べてはるかに多くなっています。
生活設計を立てているから保有する金融資産が増えているのか、それとも、保有する金融資産が増えたために生活設計を立てるようになったのか、どちらが先かはデータからはわかりません。それでも、保有する金融資産残高と生活設計には何かしらの関係性がありそうです。
また、2人以上の世帯では、単身世帯に比べると生活設計の必要性を感じている人の割合が高い傾向があります。保有する金融資産が比較的少ない世帯では、生活設計を立てている人の割合こそ少ないものの、今後は生活設計を立てたいと前向きに考えている層が、単身世帯よりも多く見られました。