銀行口座にお金を寝かせておくのはもったいない! 投資による資産運用を始めよう

現状、久松さんの家計はかなり支出が抑えられており、月によって数万円の特別支出はあるのでしょうが、何もない月は約23万円の余剰金があり、そのうち10万円を会社の財形貯蓄で積み立てていますから、残り13万円は銀行口座にそのままということになります。一般的な手取り収入からみる預貯金割合を、15%~17%程度と考えると、久松さんは実に46%!日頃の家計管理の賜物で素晴らしいですが、まだお若いですし、少し積極的に運用資金に回してもよさそうです。現在の低金利の中で、このままというのはもったいないですね。

例えば、財形貯蓄の10万円は、5年後10年後、車の買換え費用や、住宅ローンの繰り上げ返済資金など、使う目的の決まったお金としてそのまま継続し、残りの13万円の一部を運用してみてはいかがでしょうか。

お2人とも会社員ですので老後の資産形成の選択肢として、やっぱり外せないのはiDeCo(個人型確定拠出年金)です。掛金も1000円単位で変えられますから、上限の2万3000円をご夫婦それぞれで始めてみてはいかがでしょうか。

月5000円までは減額できるので、二人目のお子さんなど、ライフイベントの変化で拠出額は考えるとして、まずは口座を持ってみるのがおすすめです。仮に3%の利回りで運用できたとすると、ご主人は22年間で854万3000円、奥様は23年間で907万9000円、合計約1762万円となります。その上に税メリットが乗ってきます。老後資金の目標を2500万円*とするなら、あと少し頑張って、つみたてNISAで2万3000円を20年間3%で運用できれば、目標達成となります。

*……久松さんは現在37歳。1983年生まれの女性の平均寿命は、なんと98歳!そのうち2人に1人は101歳と、まさに人生100年です。国の年金がご夫婦で月約6万円足りないというデータもありますので、65歳から100歳までの35年間の月6万円の不足分を取り崩せるよう、約2500万円を概算で目標としています。

久松さんのご家庭は、月6万9000円(iDeCo2万3000円×2人、つみたてNISA2万3000円)を運用に回したとしても、財形貯蓄で10万円、余剰金として約5万円が確保できますので、問題のないバランスです。投資にあてても問題のない金額は、ある程度のセオリーはあるものの絶対的なものはありませんから、長期的に考えて無理のない金額にするということ、将来どれくらいにしたいか大体でよいので目標を描いておきましょう。