倒産件数の増加もあり、商業系地区の下落が目立つ
訪日外国人がこれだけ大幅に減れば、特に観光地などでは宿泊施設や飲食店、商業施設を中心に大打撃を被ります。なかには経営を続けることができず、店じまいせざるを得ない状況に追い込まれた人も相当数いるはずです。帝国データバンクによると、11月20日現在の新型コロナウイルス関連倒産(法的整理または事業停止、負債1000万円未満・個人事業者含む)は、全国で723件確認されているということです。
これを発生月別に見ると、2月=1件、3月=15件、4月=73件、5月=70件、6月=114件、7月=107件、8月=95件、9月=111件、10月=106件となっています。
さらに業種別に見ると、飲食店=110件、ホテル・旅館=66件、アパレル小売店=48件、建設・工事業=48件、食品卸=37件、アパレル卸=26件、食品小売=24件、食品製造=23件、アパレル製造=19件となりました。飲食店とホテル・旅館が1、2位になったのは、新型コロナウイルスの感染拡大によって、インバウンド需要が大幅に落ち込むのと同時に、営業自粛ムードが強まったからです。
実際、100ある高度利用地区のうち住宅系の地区は32で、これらの地価動向を前回調査と比べると、上昇は0地区だったものの、横ばいが26地区で前回調査比1地区減、下落が6地区で前回調査比1地区増でした。
ところが商業系地区の数字を見ると、68地区のうち上昇したのは1地区のみで前回調査と変わらず。横ばいが28地区で前回調査よりも6地区減、下落が39地区で6地区増となっています。住宅系地区と商業系地区を比べると、やはり住宅系地区のほうが底堅いと思われます。