日本株のポテンシャルを中長期でとらえる
一方で、購入前に知っておきたい留意点は次の通りだ。
・世界の中長期的な構造変化を予測して銘柄を選ぶアクティブファンドであり、短期的にはTOPIXなどの市場平均を下回る可能性がある
・2026年9月末時点では電気機器が38.6%を占め、東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連企業も組み入れられている。現状ではテクノロジー系銘柄の組み入れ率が高いため、AI・半導体需要の減速が懸念された局面などにおいて関連企業の株価が下落した場合には影響を受けやすい
・予想PERやPBRは参考値として掲載されているTOPIXを上回っている。高い利益成長が期待されている銘柄は、業績が市場予想に届かなかった場合に株価が大きく下落することがある
・信託報酬は年率1.573%(税込)で、購入時手数料は上限3.3%(税込)かかる。換金時には信託財産留保額が差し引かれるため、低コストの国内株式インデックスファンドと比べて費用負担は相応に大きい
「野村構造変化日本株ファンド」は2026年7月31日に設定され、まだ1年が経過していない。このため、資産運用業協会の投信総合検索ライブラリーでは、1年、3年、5年、10年の騰落率は算出されていない。
設定からの期間が短いため、足元の成績だけで中長期的な運用力を判断することは難しい。日本の中長期の4つの構造変化を切り口に恩恵を受ける銘柄を選択するファンドであり、市場環境が変化した場合の銘柄入れ替えなどは引き続き注目していきたいところだ。
ここまでの情報を踏まえ、投資の向き・不向きは以下の要素を参考にすると良いだろう。
<向いている人>
・AIや半導体だけでなく、金利、政策、地政学、日本独自のビジネス機会など、幅広い構造変化から恩恵を受ける企業を選びたい人
・インデックスファンドとは異なる値動きを許容し、運用会社の調査力や銘柄選定力に期待して中長期で保有したい人
・NISAの成長投資枠で、日本株のアクティブファンドをポートフォリオに取り入れたい人
<向いていない人>
・TOPIXなどに連動する低コストのインデックスファンドを中心に運用したい人
・日本株のみへの集中投資が気になる人
・購入時手数料や信託報酬、換金時の信託財産留保額をできるだけ低くしたい人
今回は「野村構造変化日本株ファンド」を紹介した。投資信託に正解はなく、資産形成への取り組みは人それぞれだ。フィナシー編集部では今後も、投資家の大切な資産を託せる“推し”といえるファンドを紹介していく予定だ。
執筆/フィナシー投資信託取材チーム
※記事内の数字は注記がない場合は2026年10月21日現在。資産構成、構造変化別・業種別構成比率、特性値および組入上位銘柄は2026年9月末現在。当初設定額は2026年7月、純資金流入額は2026年第3四半期現在(出所:野村アセットマネジメント公式サイト、投資信託説明書、月次レポート、資産運用業協会、モーニングスター「NISA概要レポート 2026年第3四半期」)
