NISAの普及で投資信託は身近になった。しかし、どの商品が自分に合っているのかを見極めるのは難しい。長期投資家に選ばれる投資信託にはどんな魅力があり、またなぜ支持されるのか。ここでは、野村アセットマネジメントが運用する「野村構造変化日本株ファンド」について紹介する。

2026年7月31日に設定された同ファンドは、当初設定額で約1107億円を集め、同年7月に設定された新規ファンドのなかで設定額において首位となった。販売会社が野村證券1社であるため、商品コンセプトへの関心に加えて同社の販売力も資金流入を後押しした可能性がある。純資産総額は2026年10月29日現在で約1550億円となっている。 

4つの“構造変化”から企業を選ぶ日本株アクティブファンド

「野村構造変化日本株ファンド」は、日本を取り巻く中長期的な構造変化に着目し、その恩恵を受けて利益成長が期待できる日本企業へ投資するアクティブファンドだ。2026年7月31日に設定され、野村構造変化日本株マザーファンドを通じたファミリーファンド方式で運用されている。

同ファンドが注目する構造変化は、次の4つだ。

・マクロ環境の変化:金利、物価、景気など
・政策・地政学の変化:貿易政策、安全保障、経済政策など
・技術革新:AI、半導体、デジタル化など
・日本特有のビジネス機会:知的財産、インバウンド需要など

企業を選ぶ際には、エコノミストによるトップダウン分析と、アナリストによる個別企業のボトムアップ分析を組み合わせる。世界の中長期的な構造変化から恩恵を受ける企業を抽出したうえで、事業構成や業績見通しなども加味して魅力度の高い企業を選定する仕組みだ。

ポートフォリオを構築する際には、運用チームがクオンツ・アナリストとも協働し、企業の業績見通しや株価動向などを考慮して組入銘柄と比率を決定する。構造変化の見通しも定期的に見直す。TOPIXを参考情報としている。

2026年9月末時点の株式比率は98.6%で、株式先物を含む実質的な株式比率は99.3%。組入銘柄数は109銘柄となっている。組入上位銘柄は次の通り。

・日立製作所 3.6%
・みずほフィナンシャルグループ 3.5%
・東京エレクトロン 3.4%
・アドバンテスト 3.2%
・ソニーグループ 3.2%

業種別では、電気機器が38.6%と最も高く、銀行業が12.7%、卸売業が9.6%、化学が6.8%、情報・通信業が5.2%と続く。109銘柄に分散投資しており、組入上位10銘柄の合計も30.8%にとどまる一方、業種別では電気機器の比率が高くなっている。

構造変化別では、技術革新が37.5%、マクロ環境の変化が28.3%、政策・地政学の変化が17.0%、日本特有のビジネス機会が15.8%となっている。技術革新だけに集中するテーマ型ファンドではなく、金利や政策、地政学、日本独自の成長機会まで投資判断の対象を広げている点が特徴だ。

同月末時点の予想ROEは13.3%で、参考値として掲載されているTOPIXの10.6%を上回る。予想PERは18.5倍、PBRは2.5倍で、TOPIXの17.2倍、1.8倍より高い。市場平均より収益性や成長性の高い企業を組み入れる一方、株価指標から見た割安度は相対的に低いポートフォリオとなっている。

決算は原則として毎年8月6日の年1回で、初回決算日は2027年8月6日。信託期間は無期限で、NISAの成長投資枠の対象となっている。

運用管理費用(信託報酬)は年率1.573%(税込)。購入時手数料は上限3.3%(税込)で、換金時には信託財産留保額がかかる。信託財産留保額は基準価額の0.3%以内とされ、2026年7月8日現在は0.2%だ。