放置していいコト? 放置してはいけないコト? 運用編

ライフステージが変わると、適切な運用方針やリスクの考え方も変わります。ここからは、人生の節目となるライフイベントの際に、「運用面で放置していいのか、見直すべきか」をケースごとに考えていきましょう。

〔転職時の考え方:企業型DC加入者〕
企業型DCの加入者は、60歳未満で中途退職する際に必ず、DCの資産を移換する必要があります。移換の手続きをせずに半年が経過すると、「自動移換」状態になり、DC資産の運用ができなくなります(自動移換後にiDeCoや企業型DCに資産を移すことは可能だが、費用が発生)。

移換の際の現金化のタイミングは、次に加入するDCの手続きの進捗によるため、自身でコントロールできるものではありません。その2~3カ月ほどの間に、「市場が動くことが心配」といった場合は、企業型DCの資格喪失前に定期預金などにスイッチングしておくとよいでしょう。

〔転職時の考え方:iDeCo加入者〕
ほとんどのケースで転職してもiDeCoを継続できるようになりました。

運用は継続するため、「放置してもいい」かもしれません。一方、収入の変化などによって毎月の掛金額を見直す、掛金額を変更することで運用商品の見直しも行う、という考え方もあります。

〔年代が上がってきたときの考え方:企業型DC・iDeCo共通〕
年齢が上がるにしたがって、リスクを抑えた保守的な運用に切り替えていきましょう。

リーマンショックのような大きな株式市場の落ち込みが起きた時に、受け取り時期が近い場合は取り返しがつかないためです。景気が冷え込んだ後に持ち直すまでには、一般的に5~6年かかるといわれています。その意味では「放置してはいけないコト」といえます。

50代後半になったら、リスクを抑えて「もしも」の場合に備えます。一方で、何歳でリスクを抑制していくのかについては、個人によって異なる面もあります。たとえば、定年退職が65歳の企業では、60歳でDCを受け取る必要はないかもしれません。何歳くらいで「使いたい」資産としてDCを活用するのか、イメージしておくとよいでしょう。たとえば70歳で受け取る予定であれば、50代後半で元本確保型割合を増やすのは、少し早いかもしれません。

なお、ターゲットイヤー型投資信託は、年代に応じてリスクを下げる機能が備わっているため、プランにターゲットイヤー型がラインアップされているのであれば、その商品にお任せする、というのも一つの方法です。

〔スイッチングの注意点:企業型DC・iDeCo共通〕
一度にすべての運用商品をスイッチングしない、ということも重要な考え方です。将来の値動きは予測できないため、一括ですべて変更してしまうのではなく、タイミングを分けて行うことによる時間の分散がリスクを抑えることにつながります。

〔結婚・家族が増えた時:企業型DC・iDeCo共通〕
結婚に伴い、保険を新たに契約するなどの機会もあるかもしれません。DCのみではなく、他の資産とのバランスも考えて運用を継続していきましょう。家族で投資リスクについての考え方を共有しておくことも必要かもしれません。その意味では「放置してはいけないコト」といえます。