営業利益率6割超、キャッシュフローも盤石 強固な財務基盤の理由は?

まずはオービックの実力について概要を押さえておきましょう。

オービックの業績で目を引くのは、高い収益力です。26年3月期は営業利益率が65.7%となり、売上高の3分の2以上が営業利益として残りました。これは、競合と比較しても高い水準です。

【主な業務ソフトウェア企業の営業利益率】
・オービック:65.7%
・オービックビジネスコンサルタント:45.9%
・TKC:20.3%
・ミロク情報サービス:13.6%
※オービックビジネスコンサルタントはオービックの持分法適用会社
※TKCは26年9月期(予想)、その他は26年3月期
出所:各社の決算短信

オービックの高い採算性は、同社の一貫体制が貢献しています。オービックはソフトウェアの設計や開発、さらに販売やその後の保守までを自社で手掛ける「自社開発・直接販売」体制をとっています。外部のシステム会社や販売代理店を介さないため、中間マージンが発生しにくく、利益率が高まりやすい構図です。

実際、オービック単体のシステムインテグレーション売上原価のうち、外注費の割合は0.3%にとどまります。一方、労務費は77.3%と原価の大半を占めており、システムの開発・導入を自社のエンジニアで担っていることが確認できます(26年3月期、売上高連単倍率1.07倍)。また、原価の多くが自社人材による固定的な費用であることから、売上が伸びるほど利益率が高まりやすい側面もあるでしょう。

もう一つ注目したいのが「キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)」です。企業が仕入代金を支払ってから、販売した商品やサービスの代金を回収するまでの日数で、一般にCCCが短いほど資金効率が高いことを示します。

オービックのCCCは18年3月期からマイナスが続いており、26年3月期はマイナス18日となっています。仕入先への支払いを待ってもらう期間より、顧客から代金を回収するまでの期間のほうが短いということです。在庫をほとんど持たないビジネスモデルが、CCCの短期化に寄与しています。

オービックのキャッシュ・コンバージョン・サイクル(2016年3月期~2026年3月期)
出所:オービック 決算短信より著者作成

余裕のある現金収支は株主還元にもつながっています。26年3月期はフリーキャッシュフローの約9割を配当および自社株買いに回しました。利益率が高く、その利益を効率よく現金として回収し株主に還元することは、オービックの強みといえるでしょう。