出遅れたAI戦線、「チップレット化」対応の新技術で挽回なるか

ソシオネクストは、AI需要の後押しもあり、来期(28年3月期)以降は利益拡大が本格化していく見通しです。AIは、人に代わって自律的に作業をこなす「エージェント化」の動きがあり、これに伴うサーバー向けCPU需要も拡大すると考えられているため、データセンター向けカスタム半導体を手掛けるソシオネクストにも追い風として波及すると見られています。

また、AI需要の獲得においては、新技術の「Flexlets(フレックスレッツ)」にも期待したいところです。

AI向け半導体は、膨大なデータを高速に処理するため回路が大型化してきています。しかし、1枚の大きなチップに機能を詰め込む従来の設計では、製造過程における回路転写の最大サイズという壁にぶつかったり、不良品の発生率が高まったりする課題がありました。

そこで、AI向け半導体の設計は、1枚の大型チップではなく、複数のチップを1つのパッケージにまとめる「チップレット」が主流になりつつあります。フレックスレッツは、この流れに対応する新しいチップレット設計の仕組みです。

フレックスレッツは、回路の設計そのものから柔軟にカスタマイズでき、他社が開発した技術とも自由に組み合わせられる点を特徴に持ちます。ソシオネクストは、AI関連需要が旺盛な分野において「ゲームチェンジャーになり得る」と評します。

先述した来期以降の利益拡大は、コスト削減や既存案件などから見えてきている計画ですが、フレックスレッツは25年10月に公表された新しい技術で、上乗せが期待される状況です。ソシオネクストはAI向けで出遅れ感がありますが、新技術で巻き返しを図り、さらなる成長を目指します。