カスタム半導体メーカー、個別開発に強み AIの恩恵は道半ば
ソシオネクストは富士通とパナソニックの半導体部門が統合して生まれた半導体メーカーです。1枚のチップに機能を集積したSoC(System on Chip)半導体が主要製品で、英アーム社設計のCPU回路を中心に、顧客のニーズに合わせ個別に開発しています。
開発に伴う収益は、開発中に生じる「NRE売上」と、製品の量産化に成功して発生する「製品売上」の2段階に分かれて受け取る流れです。26年3月期において、NRE売上比率はデータセンター/ネットワーク向けが53%と、前期(25年3月期)の18%から大きく上昇していることから、AI向けの需要を獲得している様子がうかがえます。
ただし、規模はNRE売上より製品売上の方が大きく、売上高全体では自動車などのオートモーティブ向けが31%で最大です。データセンター/ネットワークは26%と、スマートデバイス(21%)やインダストリアル(17%)向けと大きな差はありません。また、NRE売上は研究開発費で相殺される傾向にあり、営業利益への貢献は限定的です。AIの追い風は、まだ本格的には始まっていないといえるでしょう。
【アプリケーション別売上比(26年3月期)】
<NRE売上>
・オートモーティブ:20%
・データセンター/ネットワーク:53%
・スマートデバイス:16%
・インダストリアル:8%
<売上高>
・オートモーティブ:31%
・データセンター/ネットワーク:26%
・スマートデバイス:21%
・インダストリアル:17%
出所:ソシオネクスト 決算説明資料
株式市場はAIを背景に半導体株が活況ですが、ソシオネクストの場合、AIによる恩恵は道半ばです。現状ではAI関連株としての評価が向かいにくく、株価の軟調につながっていると考えられます。
