2年連続の減益で利益ピークの「3分の1」 反転は来期? 計画を確認
株価が低迷している背景には、業績の苦戦もあるでしょう。26年3月期は2期連続の減益となり、営業利益は124億円と、ピークの24年3月期(同355億円)から約3分の1に縮小しました。
さらに、続く今期(27年3月期)の第1四半期は赤字に転落しています。約100億円の製品売上が第2四半期へずれ込んだことに加え、下期の新規量産品の立ち上げに向けたコストの増加が重荷となりました。
【ソシオネクストの業績(27年3月期第1四半期)】
・売上高:390.4億円(前年同期比+13.0%)
・営業利益:-6.6億円(前年同期は14.4億円の黒字)
・純利益:-5.8億円(前年同期は4.6億円の黒字)
出所:ソシオネクスト 決算短信
第1四半期は赤字でしたが、通期見通しは据え置かれています。もっとも、営業利益は前期比13.3%増の140億円にとどまる予想で、成長基調への復帰には遠い状況です。
では、ソシオネクストの利益はいつ成長フェーズに入るのでしょうか。決算資料を見ると、利益は来期(28年3月期)から拡大する計画であることがうかがえます。
これまでの利益悪化は、製品粗利率の悪化が一因です。大規模プロジェクトの依存度が高まったほか、コストの増加が利益を圧迫しました。しかしながら、これらの影響は今期から来期にかけて緩和に向かい、粗利率は下げ止まる見通しです。
さらに、トップラインは堅調であり、26年3月末の商談獲得残高は1兆5100億円と、前年から1700億円増加しました。ソシオネクストは、この約60%が今後4年間で売上に計上されると見込みます。売上の増加により、製品粗利率は低調が続くものの、製品粗利額としては成長し、営業利益も拡大する想定です。
この計画に従うなら、利益は来期から再拡大に向かうと考えられるでしょう。現在は、その進捗を見極める状況にあるといえます。決算で収益力の拡大が確認されれば、株価は上向くかもしれません。
なお、今期の業績予想は想定為替レートが1ドル=130円と保守的です。仮に前期の為替レート(1ドル=150.8円)と為替感応度を適用した場合、営業利益は192億円(前期比54.8%増)に上振れる計算です。足元の為替は160円前後であり、この水準が続くなら見通しの上方修正が期待されます。
また、ソシオネクストは通期の見通しのみ開示していますが、今期は第3四半期以降に北米でデータセンターおよび車載向けで新規量産が開始される見通しで、業績は下期に偏重すると考えられます。

