<前編のあらすじ>

小学1年生の大輝が菓子を買いたがった友達2人にお金を貸し、追加のお小遣いを求めてきた。母・佳織は、友達同士でお金を貸し借りしてはいけないと注意する。

帰宅した父・翔太は、友達を助けようとした気持ちを評価し、貸した側なら強く責める必要はないと主張する。佳織は友人関係まで悪化しかねないと反論するが、翔太は「返してもらえなくても仕方ないと思える相手にだけ貸す」と大輝に教え、話を収めた。

翔太に違和感を覚えた佳織が問い詰めると、翔太は大学時代の友人に30万円を貸していたと白状する。借金の理由も詳しく確認せず、冬のボーナスで返してもらえると信じ切る翔太に、佳織は強い不安を抱いた。

●前編【“善意なら貸し借りOK?” 友達に500円を貸した小1息子をかばう夫…妻の追及で発覚した“重大な秘密”

音信不通になった友人

翔太が友人にお金を貸したと白状してから2週間が経っていた。

冬のボーナスでまとめて返してもらうのではなく、毎月返済をしてもらうように佳織は伝えていたのだが、翔太とその友人の話し合いは一向に進んでいなかった。

「ねえ、いつになったら友達と話し合いをするのよ?」

寝室で佳織は翔太に声をかけた。翔太は困ったように頭を掻いた。

「いや俺に言われてもさ……。裕久に連絡をしてるんだけど全然返事もないし、電話しても折り返してくれないんだ……」

「……まさかとは思うけど、逃げられてるんじゃないの?」

「いや、裕久がそんなことをするわけないよ。仕事が立て込んでて大変なんだと思う。ほら、あいつ忙しいから……」

翔太は友人をかばっていたが、声に自信はなかった。

「そんなわけないでしょ。どんなに忙しくても返事くらいはできるはずでしょ」

佳織の言葉に翔太は反論することはなく、スマホを見ながらうつむいていた。

翔太を見ながら佳織はため息をついた。怒りを通り越してあきれていた。

翔太が完全に悪いわけではない。友人を放っておけなかったというのも理解できる。だが、そういう理屈は、佳織の頭痛を和らげはしなかった。

「……もう向こうは返済をする気はないと思ったほうがいいわ。それからどうするかはあなたに任せるけど」

「……も、もう少しだけ待ってくれ。何とか話だけはしてみるからさ」

翔太がそう言うので、佳織はうなずいておいた。