ママ友に聞いた昼食事情

翌朝、登校班を見送りながら、芽以はふと隣にいた母親へ尋ねた。

「ねえ、夏休みのお昼って、毎日どうしてる?」

本音では日々の夕食さえ作りたくない自分が、夏休みの昼食だけ張り切れるはずもない。思えば学校給食は栄養バランスの整った食事を出すだけではなく、献立を考える手間まで引き受けてくれていたのだ。芽以はそのありがたみを改めて思い知っていた。上の子もいる彼女なら、何か手軽なレシピを知っているかもしれない。

「うち? 出前ばっかりだよ」

「え、出前?」

「うん。忙しい日は無理して作らないよ。子どもたちも喜ぶし」

あまりにあっさりした答えに、芽以は拍子抜けした。

「そっか、出前か……」

帰宅した芽以は、教えてもらったフードデリバリーのアプリをインストールした。丼、カレー、麺類……1,200円前後でかなりのバリエーションがある。

画面に並ぶ料理を眺めていると、夫・聡の渋い顔が一瞬浮かんだ。聡は倹約家だから、出前ばかり頼んでいると知れば眉をひそめるだろう。それでも、目前に迫っていた夏休みへの憂鬱は、少しだけ薄くなっていた。