今期利益は保守的 株主還元は引き続き強化、自社株買い800億円実施へ

最後に全体の業績も確認しておきましょう。

26年3月期は減収増益でした。売上高は前期比1.9%減の2兆303億円、経常利益は同7.8%増の2045億円となりました。国内エネルギーが減益となるなか、海外エネルギーが好調で増益を主導した格好です。

なお、今期(27年3月期)は増収減益を予想します。国内エネルギーで電力市場取引の利益縮小、および姫路発電所の稼働開始に伴う費用の増加を見込むことから、売上高は前期比2.0%増の2兆700億円、経常利益は同7.1%減の1900億円の計画です。

大阪ガスの業績(2017年3月期~2027年3月期)
 
出所:大阪ガス 決算短信より著者作成
 

一方、株主還元はさらに加速する見通しとなっています。

大阪ガスは配当金を積み増しており、26年3月期で6期連続の増配を達成しました。今期も増配を計画しており、前期比10円の増配となる1株あたり130円の配当金を予定しています。

これに加え、自社株買いも実施します。今期は発行済み株式数の7.04%に相当する最大800億円を取得すると公表しました。自社株買いは24年3月期から毎年実施しており、今期で4期連続となります。

大阪ガスの株主還元(2020年3月期~2027年3月期)
 
出所:大阪ガス 決算説明会資料より著者作成
 

冒頭の通り、配当金はDOEで3.5%を目安に、原則として減配しない累進配当を基本方針としていることから、今後も増勢が続きそうです。一方、自社株買いについては、もともと今期までの3年間で最大1900億円を取得する計画であったところ、上述の800億円で目標は達成される計算で、一服感が意識されやすいでしょう。

当面の注目点は今期の業績です。イラン紛争でエネルギー市況が高騰したため、都市ガス事業や発電事業は利益が圧迫されやすいと考えられます。一方、シェールガスといったエネルギー開発事業には追い風であり、全体をどの程度カバーできるかが焦点となります。

イラン紛争後、大阪ガスの株価は調整しています。投資家の懸念は払しょくされるのでしょうか。第1四半期決算は7月30日に公表の予定です。