積立投資は「退屈なくらいがちょうどいい」

新NISAの普及に伴い、投資に対する世間のイメージは大きく変化した。大学生など若年層の間でも口座を開設する動きが活発化しているほか、これまで投資と縁遠かった主婦層にも「始めてみようか」という機運が広がっている。しかし、島田氏は現在のブームを冷静に見つめている。「ここ10年ほどのマーケットはちょっと良すぎたと思っています。これが再現されるかというと、次の10年は難しいかもしれない」と率直に語る。

インフレが進行する現在、預貯金にとどまらず、有価証券を保有する意義はかつてないほど高まっている。自身のリスク許容度に応じた投資対象へ、無理のない資金で継続的に取り組むことが肝要だ。

「投資は本来、退屈なくらいが望ましいと考えています。一方でメディアは地味な情報を敬遠し、たとえばスペースXの新規公開など刺激的なニュースばかりを競って発信しがちです。それでも社会の本質がそうであるように、投資もまた地道で退屈なプロセスの積み重ねであるはず」と、本質を見失わない姿勢の重要性を説く。

個人投資家の最大の強みは、プロとは異なり「四半期ごとにリターンを評価されない」点にある。

最終的には取り崩しの際に資産が増えていればよく、時間に縛られない強みを最大限に活かすことこそが、個人投資家の特権だ。

「業界と個人投資家は決して敵対関係ではありません。長期的な視点に立てば、両者がウィンウィンの関係を築くことこそが、本当の意味での成功につながります。そして、誰もが安心して暮らせる平和な世界が保たれることこそが、投資にとっても何より大切なことだと考えています」

30年にわたり業界の内外から投資信託を見続けてきた島田氏がたどり着いた答えは、多くの示唆に満ちている。