ようやく向き合えた2人の本音
「先輩から結婚式は一生に残るイベントだから、ちゃんと準備してやらないとダメだって言われたんだ。先輩も式の準備を奥さんと2人でいろいろとやってて大変だったって話も聞かせてもらった。そこで本当に自分の考えが甘かったって思い知ったよ。なつみはきっとそのことも分かってて動いてたんだよな? そこまで考えが至らなくて本当にごめん」
再度、慎吾はなつみに頭を下げた。
「……ううんいいの。私も言い方がキツかったと思う。慎吾がどうでもいいと思ってるって決めつけてちゃんと話を聞こうとしてなかった。でも私も不安だったの。式場のことも、お金のことも、私だけが考えてるみたいで」
なつみがそう言うと慎吾は真剣な顔でうなずいた。
「ごめん、これからはちゃんと2人で考えよう」
「うん、そうね。貯金計画も練っていこう。何でも節約したらいいってもんじゃないから。無理なく貯められる方法を2人で考えたい」
なつみはそう言ってタブレットに目を落とした。どれも落ち着いた雰囲気の式場だった。慎吾が自分の好みを知った上で選んでくれたのが伝わってきた。なつみはその中の1つを選び、画面を慎吾に見せた。
「それじゃここに今度行ってみようか」
そう言うと慎吾はうなずき、タブレットを受け取りネットで予約を取ってくれた。
もちろん不安が完全に消えたわけではない。でも自分のことを想って行動をしてくれる人とならば幸せになれるのではないだろうか、となつみは思った。
※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
