投資信託の良しあしを見定めるのは難しい。相場つきが悪くて短期的には成績が振るわなくても、長期で見れば優れた運用を行っている投信は存在する。逆に、波に乗って一時的に好成績を収めたものの、トレンド転換と共に一気に沈んでいく投信も少なくない。本シリーズ「探せ! あなたの"推し"投信」では、長期投信投資家に人気の投資信託の強さの秘訣を探る。
今回取り上げるのは、三井住友DSアセットマネジメントが運用する「ニュートン・パワー・イノベーション・ファンド」、愛称「電力革命」だ。設定2年足らずにもかかわらず、世界的な電力需要の高まりを背景に急成長。純資産総額は6月18日現在で6900億円を超えている。なぜこれほど支持されているのか? 本稿ではその理由をひも解いていく。
AIデータセンター建設、EV車普及などの電力需要で急伸
このファンドの特徴をひとことで表すと、電力需要の拡大と電力市場の変革というメガトレンドを捉えた、世界株式型のアクティブファンドということになる。
2024年10月28日に設定された同ファンドは、日本および新興国の株式を含む世界株式に投資する「世界株式ファンド」に位置づけられる。
運用は、委託会社である三井住友DSアセットマネジメントがマザーファンドを通じたファミリーファンド方式で行い、実質的な運用の指図はテーマ型運用でも定評のあるニュートン・インベストメント・マネジメント・ノースアメリカ・エルエルシー(米国)に委託する。同社はトップダウンのテーマアプローチとファンダメンタルズ・バリュエーション分析を組み合わせ、電力需要拡大・電力市場変革から恩恵を受けると判断した銘柄を選定している。「電力」をキーワードとした集中投資型ポートフォリオである。ベンチマークは設定されていない。
AI需要の高まりや新興国地域の発展・人口増加の普及などで、各国で電力需要が拡大しており、同ファンドも残高を伸ばしている。通常、「電力」といえばインフラ投資として注目されるセクターだが、同ファンドでは「発電」「送電」「蓄電」の3つの分野に着目しているため、電力網の整備やEV車、再生エネルギー関連を含めた幅広い分野に投資機会を求めている。そのため、世界経済の大きな流れの中で需要の高い成長テーマに投資できるというのが最大の特徴だ。
コースは「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の2本立て。決算は年1回(原則10月21日)で、分配は極力抑制し複利効果による資産成長を優先する方針をとる。NISAは「成長投資枠」の対象となっている。
