「株式に興味はあるけれど、今さら基本的なことを聞くのは恥ずかしい」——そう感じている人は少なくないだろう。しかし、株式投資に関心を持つ人が増えている一方で、そもそも「株式とは何か」を正確に理解している人は意外と少ない。

この記事では、株式とは何か、取引の仕組みはどうなっているか、初めて株式に触れる人でも理解できるようにやさしく解説する。

株式とは? 

株式投資を理解する第一歩は、「株式とは何か」という根本から押さえることだ。

株式会社は、事業を運営するために資金が必要である。その資金を調達する方法として、銀行からお金を借りる方法のほかに、広く投資家からお金を募るという方法がある。

このとき、お金を出してくれた投資家に対して、「あなたが出資してくれたことの証明」として発行されるものが「株式」だ。つまり株式とは、投資家に渡す証明書の役割を持っている。そして、この株式を購入して出資した投資家のことを「株主」と呼ぶ。

株主は、出資した額(株数)に応じて、議決権や配当金を受ける権利、株主優待を受ける権利などを得ることができる。株式を買うとは、単にその会社の「商品」を購入するのとは全く異なり、その会社に出資してオーナーの一員になるという行為なのだ。

株主になることで何が得られる?

株主になると、さまざまなメリットを享受できる。大きく分けると、「キャピタルゲイン(売却益)」「インカムゲイン(配当金)」「株主優待」「議決権」の4つだ。それぞれについて詳しく見ていこう。

〇株式を売ったときに得られる「キャピタルゲイン」

キャピタルゲイン(売却益)とは、株式を購入した時の金額よりも売却した時の金額のほうが高い場合に得られる利益のことだ。

株式の値段のことを「株価」というが、株価は日々、市場の動向や企業の業績などによって常に変化している。そのため、購入したときよりも株価が大きく値上がりしたタイミングで売却すると、得られる売却益も大きくなる。

ただし、この利益はあくまでも「売却して初めて確定する」という点に注意が必要だ。売るタイミングを迷っている間に株価が大きく値下がりしてしまう可能性もある。場合によっては、買ったときよりも安い価格でしか売れず、損失を被るケースもある。株式の価格変動リスクを常に念頭に置いておく必要がある。

〇業績に連動して受け取れる「インカムゲイン」

インカムゲイン(配当金)とは、株式会社の業績が好調な時に、株主が決算時に受け取ることのできる利益の一部だ。株式を持っているだけで定期的に収益を得られるという点で、キャピタルゲインとは性格が異なる。

ただし、配当金は常に支払われるわけではない。企業の業績が悪化した場合などには、配当金が支払われないこともある。配当金は「必ずもらえるもの」ではなく、「業績次第でもらえる可能性があるもの」として理解しておくことが大切だ。

〇保有するだけで特典が受けられる?「株主優待」

株主優待とは、株式を保有している株主に対して、会社が提供する特典やサービスのことだ。内容は会社によって異なり、グループ会社の食品や、自社のサービスで利用できる商品券などが代表的な例として挙げられる。なお、株主優待を実施していない会社もある。

株主優待を受け取るためには、「権利確定日」の2営業日前にあたる「権利付最終日」に一定数の株式を保有していることが条件となる。株主優待を目的に株式を購入しようと考えている場合は、購入するタイミングに注意が必要だ。

〇 会社の意思決定に関与できる「議決権」

議決権とは、株主総会において会社の重要な意思決定に参加できる権利だ。株主総会は株式会社の最高意思決定機関であり、株主は保有している株式数に応じた議決権を持ち、議題の内容に対して賛成もしくは反対の意思表示を行うことができる。

投票方法は書面で行う方法のほか、インターネットを利用した電子投票など、会社が用意する好きな方法を選べる。

一般的に議決権は1単元につき1つ与えられる。1単元は原則として100株とされており、100株に満たない「単元未満株」を保有している場合は議決権を行使できない点も覚えておきたい。