手続きするだけで年金が増える
郁子さんがもらった年108万円とは、中高齢寡婦加算63万円がなくなった、遺族厚生年金の金額となります。老齢厚生年金との調整もされていません。
要するに、郁子さんが老齢年金の請求手続きをしていなかったため、(老齢厚生年金との調整前の)遺族厚生年金をそのまま受給している、ということです。3月に65歳になった郁子さんの場合、65歳以降の年金の最初の振込日が6月15日になるのですが、郁子さんは本来受けとれるはずの老齢年金を受け取れていなかったのです。
郁子さんが本来の年金をすべて受け取るには、今から老齢年金の請求手続きを行う必要があります。
65歳を過ぎている郁子さんは62歳時点にさかのぼって手続きを行うことになります。その場合、62歳~65歳までの3年間分については、既に受給済みの遺族厚生年金(年間171万円)はそのまま選択受給した扱いとなり、特老厚は選択しないため結局支給停止(支給は0円)です。一方、65歳以降の年金額も65歳時点にさかのぼることになり、年188万円で受給できることになります(なお、遺族厚生年金を受給できることから、老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰下げ受給はできません)。
これを知り郁子さんは安心し、老齢年金としての手続きを進めました。
「65歳以降も老齢年金と遺族年金は同時に受給できないと思っていたけど、65歳からは老齢年金も受け取れるのね。ちゃんと確認して手続きはしないとダメなのね」
遺族年金や、障害年金を受給している方は、老齢年金との調整ルールについて確認しておくとともに、必要な手続きを済ませておくようにしましょう。
※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
