GW前に届いた義姉の連絡

5月に入ったばかりのある日、義姉の恵から電話がかかってきた。

「靖子さん、5日にそちらにお邪魔するからよろしくね」

「はい、お待ちしております」

「どう、お母さんは元気? うまくやってる?」

恵の質問に靖子は正直に答えた。

「そうですね。お元気ですし、まあそれなりにやってます」

「母さんって本当に口がきついよね。ごめんなさいねえ、母さんって昔から性格がきつくてさぁ。お父さんもそれが嫌で離婚したってのに全然学んでないのよぉ」

誠子の夫、つまり靖子からすれば義父にあたる人はこの家に婿養子で来ていたようだが、靖子が嫁いでくるずっと前に離婚をして縁を切ったそうで、靖子は会ったことがない。

「ほんと大変よねぇ、私ならとてもじゃないけど耐えられないわ〜」

恵の口ぶりからは嫁いびりなんてする誠子と、母に言い返せない靖子に対する嘲笑が含まれているように感じた。

「……もう慣れましたよ」

「孝弘も全然守ってくれないの?」

「……前は何度か私のためにお義母さんを注意してくれたことはありましたよ。でも結局改善することはありませんでしたね」

改善どころか悪化してしまったのだが、そこまでは言わないでおこうと思って心にとどめた。

「あの子もあの子で頼りないところがあるからね〜」

孝弘自体は誠子に肩入れすることはなく、靖子の味方でいてくれていた。2人きりのときは靖子の愚痴を聞いてくれたし、いつも靖子は何ひとつ悪くないとフォローもしてくれていた。

「まあもう慣れましたから」

「そうなの? まああなたがそう言うのなら別にいいんだけどね」

「では当日、お待ちしております」

そう言って話を切り上げた。誠子も誠子で苦手だが、明らかにこちらを見下して馬鹿にしたような態度で接してくる恵のことも靖子は苦手に感じていた。