気を付けたい2つのリスク 排出量取引とガソリン補助金見直しに留意
最後にリスクを押さえておきましょう。コスモエネルギーホールディングスは、排出量取引制度(GX―ETS)の本格化が逆風となる可能性があります。
GX―ETSは低炭素化を推進する取り組みです。企業に二酸化炭素の排出枠を割り当て、超過した場合は原則として排出枠またはカーボンクレジット(排出権)の購入が必要となります。26年度から排出量が一定以上の企業が対象に含まれ、コスモエネルギーホールディングスも該当するとみられます。
当初の排出枠は実績などから設定されるため、困難な目標が直ちに課されるものではありませんが、削減目標は年々厳しくなっていく構造です。コスモエネルギーホールディングスは影響は限定的と説明しますが、石油の精製は必然的に二酸化炭素が排出される産業であり、将来的に利益の圧迫が懸念されます。
もう1つ、知っておきたいポイントがガソリン補助金です。政府はガソリン小売価格の抑制に向けて補助金を出していますが、報道ではこの基準が見直されると伝えられています。
原油の価格指標はいくつかありますが、原油の輸入は中東ドバイ原油に連動しているところ、補助金の算定指標を北海ブレント原油に変更するというのが報道の内容です。ドバイ原油はイラン紛争で急騰しており、基準をブレント原油に切り替えることで補助金を抑制したい狙いがあるとしています。
報道が事実なら、実質的に補助金を削減する動きであり、石油元売りには負担が生じる公算です。足元ではドバイ原油とブレント原油の価格差は縮小傾向にあり、また実際の仕入れも中東以外を模索する動きもありますが、利益を圧迫する要因として注視しておきたいところです。