原油高騰は追い風も不透明感 新中計は公表を延期
まずは概要を押さえましょう。コスモエネルギーホールディングスは石油元売り大手であり、原油の開発と、原油から精製した石油製品の販売が利益の柱です。水素分野での連携を深める動きから、岩谷産業の持ち分法適用会社でもあります。
業績は2022年3月期をピークに低調です。当時はロシア・ウクライナ紛争で原油価格が高騰した影響から利益が拡大し最高益となりました。以降は市況が落ち着いたことから、利益も伸び悩んでいる構図です。なお、在庫影響を除いた業績は堅調に推移しました。
26年3月期は減収減益の予想です。前期比で原油や為替の市況が下落しており、石油開発事業で大きめの減益が見込まれています。進捗もやや厳しく、通期予想に対する経常利益の進捗率は第3四半期時点で69.0%にとどまります。同59.1%だった前期は、予想から8.6%下振れて着地しました。
ただし、2月末に生じたイラン紛争で原油価格は急騰しており、主力の石油事業や石油開発事業の業績改善に寄与することが見込まれます。コスモエネルギーホールディングスによると、原油価格が通期にわたって1ドル上昇すると石油事業の経常利益を19億円、石油開発事業を同16億円押し上げるとしています。
もっとも、中東リスクは見通しを不鮮明にしていることには注意が必要です。3月の公表を予定していた次期中期経営計画は、中東情勢の悪化を受け6月に延期されました。26年3月期の本決算は5月12日に公表の予定ですが、翌27年3月期の予想が保守的に見積もられるリスクが懸念されます。
