要旨

〇3月短観における26年度の収益計画(大企業、以下同じ)によれば、売上高は増収計画だが、経常利益については減益に転じる。ただ、イラン戦争に伴う原油高等の影響を十分織り込んでいない可能性がある。

〇売上高計画が高い伸び率となったのが、地政学リスク等の高まりを受けて防衛関連やエネルギー関連の需要拡大等が寄与する「生産用機械」であり、建設機械等の産業用機械やオフィス機器等のリース需要拡大の恩恵を受ける「物品賃貸」「その他情報通信」、半導体材料やデータセンター向け商品等の需要回復や原油価格上昇等で「化学」「金属製品」の増収も期待される。

〇経常利益計画から今期増益が期待される業種を見ると、増収に加えて石炭価格の落ち着きで投入コスト減が期待された可能性のある「紙・パルプ」、米類の価格落ち着きやインバウンド需要拡大等が見込まれる「宿泊・飲食サービス」、人手不足対応に伴う労働需要の増加が期待される人材派遣を含む「対事業所サービス」、半導体材料やデータセンター向け商品等の需要回復等が期待される「窯業・土石製品」、高市政権の物価高対策が期待される「小売」となる。

〇大企業における事業計画の前提となる26年度想定為替レートはドル円で149.1円/㌦、ユーロ円で170.5円/€。特に、最も円安の恩恵を受ける輸送用機械関連が147.4円/㌦と円高気味の想定をしていることに注目すべき。今後はFRB議長の交代などに伴う米利下げを通じて、為替レートの水準が円高方向に進むことを想定していることが推察される。しかし、そこまで大きく円高に振れなければ、こうした今年度の為替レートを円高気味に想定している業種に属する企業を中心に、今期業績が上方修正される可能性がある。