平均掛金額は月額約1万5000円
企業型DC加入者の年間掛金額の平均は下表のとおり18万円、月額に直すと約1万5000円になる。
企業型DC一人当たり掛金額(事業主掛金・マッチング拠出含む)
企業型DCの掛金額は前述どおり基本給や役職等で異なるが、加入者一人当たりの平均拠出額は年間18万円だった。仮に23歳から60歳までの38年間加入し続けた場合、累計掛金のみで684万円に達する。日本での制度導入は2001年であるため、現時点であてはまる加入者はいないが、今後はこうした長期拠出による資産形成を体現する層が誕生していくだろう。
最近は物価上昇や人手不足などを背景に賃上げも著しい傾向にある。例えば民間主要企業の春季賃上げ率は2025年で5.52%と1992年以来の水準だ(厚生労働省、2025年8月公表)。企業型DCの規約にもよるが、賃上げが行われれば掛金も増える可能性がある。物価上昇が掛金にどう影響を与えるのか、今後も目が離せない。
マッチング拠出で入金力アップ
加入者一人当たりの掛金額は平均で月額1万5000円だが、掛金の上限※である月額5万5000円まで余裕がある。もっと掛金を増やして、企業型DCをフル活用したい人もいるだろう。そんな願いを叶える方法の一つがマッチング拠出だ。
※会社掛金額および確定給付企業年金(DB)など他制度掛金額との合算
掛金額(マッチング拠出)
マッチング拠出とは会社の掛金額に上乗せして加入者自身が掛金を出せる仕組みだ。企業型DCでマッチング拠出を導入している事業所は前述どおり全体の2割程度とまだ限られるが、利用している人はどれくらい上乗せしているのだろうか。
同調査の結果によれば、2025年3月末時点で一人当たり月額8000円。年間で9万6000円を上乗せしている計算だ。マッチング拠出分の掛金額は全額所得控除の対象となる。つまり税金を計算する際に課税対象となる所得が減ることで、所得税や住民税などの税負担を減らすことができる。
なお、マッチング拠出についてはこれまで、「加入者本人が拠出する掛金額は、会社の掛金額を超えられない」という制限があったが、2026年4月1日にこのルールが撤廃された。例えば、これまでは会社の掛金額が1万円であれば加入者自らが出す掛金額も1万円までだったが、今後はより多くの金額を上乗せすることが可能になる。
上限額は、全体の拠出限度額である5万5000円から会社の掛金額とDB等の他制度掛金相当額の合計を差し引いた残りの枠となる。仮に会社の掛金が1万円、他制度の掛金額も1万円であれば、残りの3万5000円までを本人が拠出できる計算だ。さらに2026年12月の法改正により、2027年1月の引き落とし分から6万2000円へと7000円アップする予定となっている。
なお企業型DCの注意点は、60歳まで資金を引き出せないこと。老後資金の形成を後押しすることを目的とする制度であるため、途中で引き出して使ってしまったら意味がないからだ。生活費や万が一の出費などを考慮しながら、余裕をもった金額を設定しておきたいところだ。
調査概要 調査名:「確定拠出年金統計資料(2025年3月末)」 調査主体:運営管理機関連絡協議会 公表:2025年11月


