「ナフサショック」が株価に直撃 過去にはウクライナ問題でも大減益

続いて足元の株価急落に話題を移しましょう。東洋紡が大きく売り込まれている理由は「ナフサショック」が懸念されているためだと考えられます。

ナフサは原油からガソリンなどと一緒に生産される基礎的な石油化学製品です。ナフサはエチレンやプロピレンなどに分解され、さらにプラスチックなどへ加工が進みます。東洋紡は主要製品の主な原料が石油化学製品であり、ロシア・ウクライナ問題の影響でナフサ価格が高騰した23年3月期は前期比64.6%減となる大幅な営業減益を経験しました。

そして、26年2月末に発生したイラン紛争は再び東洋紡に打撃を与えています。中東貿易の要衝であるホルムズ海峡が実質的に封鎖となり、ナフサの供給も滞るとの懸念が広がりました。ナフサは国内消費量の4割が中東に由来しており、三菱ケミカルグループや三井化学はエチレンの減産に踏み切っています。

懸念は株式市場にも波及しており、東洋紡のほか主要な石油化学製品メーカーは大きく値を下げる事態となりました。

【主な石油化学メーカーの株価騰落率(26年2月末~3月23日)】

・東洋紡:-28.8%
・三菱ケミカルグループ:-25.4%
・三井化学:-23.9%
・旭化成:-20.0%
・(参考)日経平均株価:-12.5%

東洋紡は今期(26年3月期)に前期比73億円の営業増益を予想しますが、うち50億円はナフサを含む原燃料の値下がり影響です。ホルムズ海峡の封鎖が続けばナフサの値上がりは避けがたく、今期の着地は下振れることも懸念されます。