真っ当な反対意見に若手社員が返した「まさかの言葉」

理事会の役員をはじめ若い入居者たちは若手社員の話に共感しているようでした。彼らにとっては「マンションの資産価値の維持」が殺し文句で、そこを突かれると弱いのを分かった上で若手社員が何度も「資産価値」と繰り返すのを苦々しい気持ちで聞いていました。

このままいくと可決されてしまう。そんな時に友永さんが挙手して値上げに反対する旨の意見を述べたのです。

「シミュレーションのベースとなっている修繕積立計画はマニュアル化されたもの。このマンションは小規模で利用者も少ないのだから、必ずしも中大規模マンションと同じ計画を適用する必要はなく、計画内容を精査した方がいいのではないか」

「管理費不足を言う前に、今マンションで行われている整備や修理、点検、そしてその費用が適切なものかどうかを洗い直すべきだ。素人目にも、無駄な整備や割高な修理代が多いと感じる」

「管理会社として委託費の値上げを要求するなら、もっと具体的にその根拠を示してほしい」

それは、昔のご意見番の方々のように客観的で論理的なものでした。ですが、その指摘に管理会社の若手社員は「年寄りが何を!」と反感を持ったのかもしれません。「小さなマンションですし、別に自主管理でやっていただくならそれでもいいんですよ」と木で鼻をくくったような言葉を返したのです。