30代半ばの代表、小柄な体に秘められた辣腕

小笠原さんはそのNPOの代表です。私がウェブサイトの問い合わせコーナーから連絡を入れたら、その日のうちに小笠原さんから折り返しのメールが届いたのです。

丁寧な敬語遣い、父へのさりげない配慮、そしてNPOに関する要領を得た説明などから、私と同年代か、もう少し上くらいの人を想像していました。自分の親の介護を経験して、同じ悩みを抱える人をサポートしたいと考えるようになった的な背景を思い描いていたのです。なので、初めて会った時、小笠原さんがかなり若いのに驚きました。せいぜい、30代半ばといったところでしょうか。聞けば、もともと社会福祉畑で高齢者のサポートをしていたのだそうです。

小笠原さんは「自分では十分おばさんだと思っているんですが、ご高齢のお客様からは『孫みたいだ』と言われてしまうんです」と笑いながら、独居高齢者や認知症の問題に向き合おうとして自分の無力さを痛感し、法律や税務、資産運用の専門家を頼ったり、業界内で横の連携を深めたりして、少しずつ同志を増やしてきたのだと話してくれました。確かに、小笠原さんからは誠実な人柄とつい助けてあげたくなるような一途さを感じましたが、小柄で華奢なあの体のどこに、周囲を巻き込んでこれだけの組織を作り上げてしまうパワーを秘めているのかは謎でした。

しかし、小笠原さんは私から父の話を聞いて、早速その辣腕ぶりを発揮したのでした。