低PBR脱却へROE目標を新設 株主還元も強化、初の自社株買い実施

株価は足元で相対的に堅調な一方で、PBR(株価純資産倍率)は低水準です。電力株はPBRが低い傾向にあり、主要株の多くは1倍を割り込みます。エネルギーリスクが大きいことや、大規模な設備投資が必要で内部留保による資本の膨張を招きやすいことが低PBRの一因だと考えられます。

【主な電力株のPBR(26年3月9日終値)】

・電源開発:0.51倍
・東京電力:0.35倍
・関西電力:0.88倍
・中部電力:0.66倍
・東北電力:0.55倍
※純資産および株式数は25年3月末

しかし、近年は資本コスト経営の意識が強まっています。電源開発は24年5月に中期経営計画を公表し、前回の計画に盛り込まなかったROE(自己資本利益率)目標を設定しました。当面は稼働資産ROIC(投下資本利益率)3.5%程度を目安に取り組み、ROEは27年3月期に5%程度、30年代に8%以上の達成を目指す内容です。

ROE目標の達成に向け株主還元も引き上げました。27年3月期までは従来の方針(配当性向30%)に相当する1株あたり100円の下限配当を設定し、総還元性向で30%を目指します。25年には、同社として初の自社株買いの実施を公表しました。株主還元を高めることで資本を引き締め、ROEの向上を目指す方針です。

電源開発は低炭素化に向けエネルギー転換を進展中で、27年3月期までの3年間では戦略投資として3250億円を投じます。大型の投資を進める中でも株主還元に資金を振り向け、株式価値の改善を目指します。