米国ミドルマーケットで広がる共同融資

こうした共同融資が特に活発なのが、米国のミドルマーケット企業向け融資である。この市場は米国企業金融において非常にすそ野が広く、数十万社に上る企業が存在するとされる。銀行単独では資本効率が見合わない案件も多く、銀行と投資ファンドが共同で融資を行うケースが増えている。

近年は欧米で、大手銀行とファンド/資産運用会社が提携して融資プラットフォームを構築する動きが見られる。

こうした流れは日本の金融機関にも広がりつつある。例えば三井住友銀行はオーストラリアの資産運用会社MA Financial Groupと提携し、米国ミドルマーケット企業向けの共同融資プログラムを構築している。

このように銀行とファンドが協力して融資を行うモデルは、プライベートクレジット市場の新しい形として注目されている。

プライベートクレジットの次の進化

プライベートクレジット市場は過去10年で急速に拡大した。その過程でダイレクトレンディングと呼ばれるモデルが特に成長し、上場投資会社(BDC)、セミリキッド型ファンドなどの形態で個人富裕層の資金も取り込んできた。

現在の欧米市場を見ると、銀行とファンドが協力して企業融資を行う「Co-Lendingモデル」が次の進化として広がりつつある。それは、「銀行とファンドが競争する世界」ではなく「銀行とファンドが協力して企業金融を支える新しい金融インフラ」ともいえるだろう。