<前編のあらすじ>

父の遺産を相続することになり、兄の利弥と、妹の美矢の間で遺産分割を行った。

利弥は預金を、美矢は株などを相続し、この時点では利弥の相続した額のほうが大きかったが、数年後に立場が逆転、妹の相続分のほうが金額が大きくなってしまった。

これに納得がいかない利弥は、妹に対して遺産分割のやり直しを要求したが、妹に拒絶され、行動がエスカレートしていく……。

●前編:【「株を全部私にちょうだい」40歳妹の提案にほくそ笑んだ43歳兄…数年後に知って愕然とした「妹の本当の狙い」】

「遺産分割のやり直し」を要求

ところが、数年後、利弥の印象は一変してしまった。

世の流れに敏感な読者諸兄におかれては既にお気づきの方も多数いらっしゃるかもしれないが、実は昨今、世界情勢や物価高騰の影響で、金や株式の価格が急騰している。
美矢が相続した株も例外ではなかった。彼女の相続した遺産は当時の2倍以上もの額に値上がりしていた。一方、物価高の影響で利弥が相続した預金は実質的に目減りしていた。

利弥は日々の株価を眺めつつ、「こんなの予見できなかった。結果としてこんな差が出るなら、本当の意味で平等じゃない!」と、ついに美矢に対して遺産分割のやり直しを要求したのだ。

しかし、美矢は断固として拒否する。

「相続時点ではお兄ちゃんの方が金額的に有利だったのに今更何を言い出すの?」

美矢の言う通り、利弥が相続した預金を株や金に投資していれば、今ごろは美矢より大きな財産を築いていたはずだ。

株価がたまたま好調だったとしてもいって、一度決まった遺産分割をいまさらやり直そうというのはムシがよすぎる。

だが利弥は諦めず、毎日のように美矢にしつこく連絡し、遺産分割のやり直しを迫った。最終的に自宅にまで押しかけ、美矢の夫と大喧嘩したことすらあったという。