東洋エンジニアリング(6330)
採掘インフラの整備段階で無視できないのが、東洋エンジニアリングです。
同社は大型プラントのエンジニアリング企業として、採掘システムの設計・製作に関わっており、国産化事業において重要なポジションにあります。
しかし、2026年2月に発表された決算では大幅な下方修正を行い、巨額の赤字予想とともに無配転落という厳しい現実を突きつけられました。
この赤字の原因はレアアースとは無関係な海外の大型案件での損失ですが、プラントエンジニアリング特有のリスクを浮き彫りにしました。
求められた性能基準を満たせなかったり、予算内に収まらなかったりした場合に多額の違約金を支払うリスクが常にあります。
単にレアアース関連だからという理由で買い向かうのは危険であり、プロジェクト管理能力を冷静に見極める必要があるのです。
住友金属鉱山(5713)
精錬・素材化のフェーズで本命とされるのが、住友金属鉱山です。
同社は「鉱山開発」「金属精錬」「先端材料製造」という3要素を垂直統合で行う稀有な企業であり、日本で数少ないレアアース精錬技術の保持者でもあります。
中国が世界の精錬の9割を握る中で、同社への期待は非常に高く、株価も右肩上がりで推移しています。
ただ、業績の中身を詳しく見ると、精錬事業の利益は直近で苦戦しており、赤字傾向にある局面も見られます。
精錬は金属の市場価格に大きく左右される事業でもあります。
国産レアアースの需要が本格化し、それが全社の業績にインパクトを与える規模になるまではかなりの時間を要するでしょう。
現在は明らかに期待値が先行しており、国産化が始まった後にどれだけ利益を出せる事業に育てられるかが焦点となります。
大同特殊鋼(5471)
最終製品を作るメーカーとして注目されているのが、大同特殊鋼です。
同社は鉄にクロムやニッケルなどを加えた高機能な「特殊鋼」を手掛け、航空機エンジンや医療用チタンなど幅広い分野に製品を供給しています。
レアアースはこれらの特殊鋼の製造において重要な「ビタミン」となりますが、メーカーの視点に立つと懸念も残ります。
先述の通り、国産レアアースの採掘コストは中国産の数倍から数十倍になる可能性があります。
国産化は「安定調達」には寄与しますが、安価な調達、つまり「コストダウン」には繋がらない可能性が高いのです。
これを最終製品の価格に転嫁できるかどうかという課題があり、国産化が同社にとって単純にポジティブな業績要因になるとは限りません。
一方で同社は、産出が中国に偏っている重要鉱物レアアースの一つである「重希土類」を用いずに強力な磁石をつくる技術を持っています。足元の株価は、今後本技術に本格的な需要シフトがなされるのでは!?という期待値も膨らんでいるように見えます。
