国債は理論上では無リスク資産

債券投資について、債券そのものの保有と債券型投資信託での保有とでは異なることを改めておさらいしておきましょう。

債券は国や地方自治体、企業などの発行体が資金調達のために発行する有価証券で、借用証書のようなものです。発行体は約束した利子(クーポン)を定期的に投資家に支払います。債券には満期が定められており、満期となる償還日には額面金額が投資家に払い戻されます(※)。

債券投資でもっとも考慮が必要なのは、発行体の信用悪化により、利子や元本の支払いが滞る信用リスクです。ただし株式投資と異なり、元本が戻ってくるという特徴があるため、株式に比べると比較的安全性が高いといえます。そのため、運用理論上ではリスクフリーレート(無リスク利子率)として、10年物国債利回りが用いられています。

個々人の投資から考えると、例えば個人向け国債を買って満期まで保有すれば、定期的にあらかじめ決められたクーポンを受け取ることができ、満期時には元本も払い戻されるので安心です。ただ、インフレが進んでいるときに長期の債券を購入すると、(購入時にクーポンは決定しているため)インフレ対応ができないということも想定されます。

※劣後債などの場合はこの限りではない。

DCでは債券型投資信託で債券投資が可能

債券は発行体によって国債(国が発行)、地方債(地方自治体が発行)、社債(企業が発行)などがあります。また、株式と同様に売り買いするための市場がありますが、取引単位が大きいなど、個人が投資できる銘柄はかなり限定的です。そのため、DCやNISAでは、債券そのものへの投資はできず、債券型投資信託やETF(NISAの場合)を活用することになります。

債券型投資信託は、債券で構成される投資信託です。

DCで活用されることの多いインデックス型の国内債券型投資信託は、銘柄数が1700近くあります。そのうち国債が84%と最も多く、次いで地方債が6%程度と、国債が占める割合が高くなっています。

債券は前述のとおり債券そのものを保有する場合は安全性が高いと言えますが、投資信託になると金利の影響を受けます。売り買いする場合の値段が世の中の金利によって変化するためです。

簡単にいうと、金利が上がると債券型投資信託の基準価額は下がる、という関係性があります。

結果的に、金利上昇局面にある現在、国内債券型投資信託の基準価額は下がる一方です。久しぶりにDC残高を確認して、思ったほど増えていない、と愕然とされる方もいらっしゃるようです。