投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、SBI証券。
SBI証券の投信販売金額人気(週間)の2026年2月第1週(2月2日~2月6日)のトップ3は前週と同じだった。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」の順だった。1月29日をピークに純金(ゴールド)価格が急落するという波乱があり、前週は第4位だった「Tracers NASDAQ100ゴールドプラス」は第7位にまで後退した。また、決算の内容が嫌気されてAMDやマイクロン・テクノロジーなどハイテク株の株価が下落した関係で前週は第8位だった「iFreeNEXT FANG+インデックス」は第9位に順位を落とした。代わって、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」や「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」などオーソドックスな日米の株式インデックスファンドが順位を上げた。

※SBI証券サイト内「販売金額人気ランキング」に基づき編集部作成。期間は2026/2/2~2026/2/6。
https://www.sbisec.co.jp/ETGate/?_ControlID=WPLETmgR001Control&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&_PageID=WPLETmgR001Mdtl20&_ActionID=DefaultAID&getFlg=on&burl=iris_ranking&cat1=market&cat2=ranking&file=index.html&dir=tl1-rnk%7Ctl2-fund%7Ctl3-resrank%7Ctl4-price
AI関連に「勝ち」「負け」、バリュー株へのローテーションも
2026年2月の第1週は純金価格が急落した他、株式市場でも物色の流れに変化がみられるなど、これまでの市場の流れに転換点が表れたような印象を受ける動きになった。SBI証券の投信人気銘柄にも市場の変化を感じさせる動きが見て取れる。
まず、純金価格は1月29日にNY金先物価格が5354.8ドルの史上最高値を付けた後で急落した。1月30日は前日比約11.39%安の4745.1ドルに急落し、翌2月2日に4652.6ドルと一段安になった。NY金先物価格は2025年12月末(4341.1ドル)から1月29日の高値まで約1カ月間で約23.35%も上昇したこともあり、この上昇ペースが速かったことから、スピード調整の必要が指摘されていた。
「Tracers NASDAQ100ゴールドプラス」を設定するアモーヴァ・アセットマネジメントは2月3日に「足もとの金価格の動向について」と題した臨時レポートを発行し、純金価格が急落した要因として(1)次の米FRB議長にタカ派とみなされるケビン・ウォーシュ氏を指名する意向と報じられ、大きく積み上がっていた米ドル安・金高のポジションが巻き戻された、(2)1月30日に発表されたPPI(卸売物価指数)が市場の予想を上回る上昇となり高金利の長期化観測が強まった、(3)2月2日から貴金属先物の証拠金が引き上げられることでレバレッジをかけていた先物投資家が強制的なロスカットを迫られ下落が一段と加速した――などの理由が考えられるとしている。一方、(1)通貨価値に対する不安、(2)地政学リスクの高止まりによる質への逃避、(3)各国中央銀行による継続的な金の買い増し――などという中長期的な支援材料に変化はないとして「今回の急落は上昇トレンドの途上で生じた短期的な調整局面」という見方を示している。
また、株式市場ではテクノロジー株式の一角から「ソフトウエア」関連の銘柄が大きく下落した。AI関連企業が発表した「業務自動化ツール」が既存のソフトウエア企業のビジネスを脅かすという見方が広がったことがきっかけで、セールスフォース、サービスナウなどの株価が6%程度下落し、マイクロソフトも弱かった。一方で、AI関連インフラで恩恵を受けるエヌビディアなどハードウエア関連の株価は強く、AI関連の中でも「勝ち組(AIインフラ関連)」と「負け組(ソフトウエア関連)」の選別が意識されるようになっている。
そして、「ハイテク・グロース株」から「バリュー株(割安・景気敏感株)」への資金シフトも加速し、エネルギー、生活必需品、資本財、金融などに株価が堅調な銘柄が目立った。「NASDAQ総合」が1月第2週から2月第1週まで4週連続で週間騰落率がマイナスになる中で、「NYダウ」は2月第1週に反発して史上最高値を更新し5万ドルの大台に乗せた。
