新FRB議長はどんな人?

では、ウォーシュ氏のプロフィールを確認しておきましょう。以下の通り、2006 年に史上最年少で FRB 理事に就任しましたが、バーナンキ議長(当時)が進めていた QE に反対し、2011 年に辞任しています。この辺りがタカ派と受け止められている部分です。

一方、昨年秋、ウォールストリートジャーナル紙への寄稿によると量的引き締めを加速することによってインフレを抑制することができ、その結果利下げ余地が生まれると主張しています。従って、必ずしもタカ派というわけではなく、ハト派の主張も混在しているといえるでしょう。その他でも AI による生産性の向上によってディスインフレが進展し、利下げ余地が生じるとも主張しています(スライド 5)。

 

ではその FRB のバランスシートを見ておきましょう。

2008 年の金融危機後に拡大したバランスシートはコロナ禍を経て最大で約 9 兆ドルに達しました。その後、量的引き締め(QT)によってバランスシートは縮小しつつありましたが、急速な縮小によって資金市場の緊張が高まり、短期金利が急騰する場面がみられたことから昨年 12 月、FRB は短期証券の買い入れ再開を決めており、QT ペースはむしろ鈍化しています。

こうした流れはウォーシュ氏が議長に就任した後もそう簡単には変わらないでしょう。彼の持論によれば、QT がなかなか進まなければ、利下げも難しくなります。実際、ウォーシュ氏が指名された後も市場の利下げの織り込みはほとんど変わっていません(スライド 6)。