2025年12月に厚生労働省が公表した「令和5年所得再分配調査」によると、社会保障や税の再分配後の所得格差は横ばいで推移していることが分かりました。
所得再分配調査は、社会保障制度における給付と負担および租税制度における負担が、所得の分配にどのような影響を与えているかを明らかにして、今後の政策立案の基礎資料にされるものです。この調査は概ね3年ごとに実施されますが、前回調査はコロナ禍の影響により1年遅れたため、今回は2年ぶりの調査となりました。
当初所得と再分配所得の世帯構成
雇用者所得や事業所得、財産所得、雑収入、私的給付(仕送り、企業年金、生命保険金などの合計額)等の合計額が「当初所得」と定義され、この当初所得から税金や社会保険料を控除して、社会保障給付(公的年金などの現金給付、医療・介護・保育の現物給付)を加えたものが「再分配所得」とされます。
また、所得の均等度は「ジニ係数」で表されます。このジニ係数は0から1までの値をとり、0に近いほど所得格差が小さく、1に近いほど所得格差が大きいことを示しています。(算出方法については脚注参照)
下図を見ても分かるように、当初所得の世帯構成では200万円未満が46.6%を占めている一方で、再分配所得の世帯構成では200万円未満が22.3%と半分以下に低下しています。
【世帯主の年齢階級別所得再分配状況】
令和5年の一世帯当たりの平均当初所得は384.8万円(前回比9.1%減少)であり、この当初所得から税金(48.2万円)と社会保険料(52.9万円)を差し引き、社会保障等からの受給額(184.1万円)を加えた再分配所得は467.7万円(同7.2%減少、当初所得に対して121.5%)となります。
受給額を当初所得に対する比率でみると、社会保障給付が47.8%、社会保険料が13.7%で、差額の34.1%が一世帯当たり平均で社会保障によってプラスとなります。
【当初所得に対する社会保障の拠出と給付の関係】



