新顔「メガ10」のインパクト

楽天証券の売れ筋ランキングで主要インデックスファンドが目立って多いのは、それ以外のファンドへの広がりが少ないことの裏返しでもある。過去3年間を振り返ると、「MSCI ACWI」は米ドルベースで2023年にプラス22.81%、2024年にプラス18.02%、2025年はプラス22.87%と毎年20%近い値上がりを続けてきた。ドル円の円安効果も加味されることから、「オルカン」の過去3年間の累計リターンは92.19%(2025年11月末時点)という成績だ。「オルカン」を購入して保有し続けることで過去2年で資産残高は約2倍になった。同じように「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の3年累計リターンは101.16%、「iFreeNEXT FANG+インデックス」(大和アセットマネジメント)は302.59%だ。これほどの成績が得られるのであれば、他のファンドを選ぶ必要がないということなのかもしれない。

しかし、過去の市場を長期で振り返れば数十年にわたって上昇し続けるような資産はない。「MSCI ACWI」の過去15年を振り返っても、4年以上連続して上昇したことはない。2012年~2014年(+16.80%、+23.44%、+4.71%)、2019年~2021年(+27.30%、+16.82%、+19.04%)、そして、2023年~2025年は3年連続で上昇したが4年目はいずれも下落し、2022年の下落率は17.96%と比較的大きい下落になった。2026年が2022年のような下落相場になってもおかしくはない。

2025年11月に新規設定された「メガ10」(ニッセイアセットマネジメント)が売れ筋トップ10に食い込んできているのは新しい動きだ。同ファンドはグロース株の超大型10銘柄に均等投資するファンドで、テクノロジー株式に特化した10銘柄に投資する「FANG+インデックス」とは異なる銘柄で構成されている。「メガ10」の構成銘柄にはヘルスケアの「イーライリリー」や金融の「VISA」、「マスターカード」が入っている。従来の人気カテゴリーであった「IT」関連以外の銘柄にも目配りしようというファンドが支持を集めているのは、3年連続で同じような人気銘柄が続いた後だけに健全な動きと感じられる。このような新しい投資の視点がランキングに表れてくるものか注目していきたい。

執筆/ライター・記者 徳永 浩