成長ストーリーは? 手薄の浴室と海外の強化で収益底上げ、宇宙事業も

続いて成長戦略を解説します。タカラスタンダードは浴室および海外の強化、また新事業でさらなる成長を目指す方針です。

まずは浴室の戦略を押さえましょう。タカラスタンダードは、先述のとおり新築マンション向けで高いシェアを持ちます。しかし、製品別ではキッチンや洗面化粧台が中心で、浴室はシェア6%と低水準です。成長の余地が大きいと判断し、タカラスタンダードは浴室の販売を強化します。

拡販に伴い、浴室は増産にも着手します。福岡工場に400億円を投じ、浴室パネルの生産能力を1.5倍に増強する計画です。本格稼働は28年4月以降を予定しており、浴室売上高は31年3月期までに200億円の増加を見込みます。

次に海外の強化です。タカラスタンダードは15年に海外に進出し、台湾や中国といった東アジアを中心に展開しています。ただし、事業規模は小さく、売り上げは11億円と全体の0.5%にとどまります(25年3月期)。

タカラスタンダードは、手薄の海外へ本格的に進出します。25年4月には初の海外拠点として台湾支店を設立したほか、同時期にグローバルブランドとして「タカラ・ホーロー」を立ち上げました。これらの施策を通じ、海外売上高を31年3月期までに100億円へ引き上げます。

最後に新事業です。タカラスタンダードはホーローで培ったガラス技術を応用し、次の成長を担う新規事業の創出に取り組んでいます。その1つが宇宙事業です。ガラスの耐熱性や耐久性を生かし、月面基地の建材といった用途開発を行っています。用途開発は30年までを目途とし、35年度からの収益化を目指しています。

ほかに、ガラス粉末の新用途も開発中です。電子部品における接着剤や保護フィルム、義歯材料などへの応用を想定します。

これら新事業は従来とは異なる領域です。タカラスタンダードは水回り製品が中心で、住宅市場の影響を強く受けます。新事業が収益源へと育てば、同社の基盤はさらに厚くなることが期待されます。