投資家の声で還元強化 脱・割安株へROE目標10%に引き上げ

タカラスタンダードの株価の急激な上昇は、株主還元が一因です。同社は25年5月、配当金および自社株買いの強化を発表しました。同時に公表された今期(26年3月期)業績が増収増益の予想だったこともあり、株価は一時ストップ高まで上昇します。

株主還元の変更点は次のとおりです。配当性向は40%から50%へ引き上げ、27年3月期までの3年間で計200億円の配当金を支払うとしています。自社株買いは、従来は数値目標がなかったものの、27年3月期までの2年間は計220億円を実施する方針です。総還元性向は130%水準を目標としており、大幅な引き上げとなる見込みです。

タカラスタンダードの株主還元(2018年3月期~2027年3月期)
 
出所:タカラスタンダード 決算短信および決算説明会資料より著者作成
 

株主還元の強化はROE(自己資本利益率)の向上が目的です。タカラスタンダードは多くの機関投資家から資本収益性の低さを指摘されました。ROEは現在5.8%(25年3月期)と、目安の8%を下回る状況です。

タカラスタンダードは、これを機に認識を改め、ROEの改善に乗り出しました。ROE目標は従来の7%から8%へ引き上げ、27年3月期までの達成を目指す方針です。また、長期的には10%までの上昇を目指します。

株主還元の積極化は、ROE改善の一環として行うものです。ROEは自己資本を分母に算出されますが、配当金や自社株買いは自己資本を減少させます。そのため、株主還元はROEの上昇要因です。今期から2年間は最終利益の1.3倍水準で還元するため、当面は自己資本の減少が想定されます。

タカラスタンダードは、かつてPBR(株価純資産倍率)が0.5倍まで沈む割安株でした。しかし、現在は目安となる1.0倍を回復しています。計画どおりROEの改善が進めば、株価はさらに上昇するかもしれません。