今期4~9月は2割増益も通期は減益 受注は下半期に追い上げへ

最後に今期(26年3月期)の見通しを押さえましょう。

今期は通期で増収減益を予想します。手持ち工事は豊富ですが、利益は前期比で大きめに減少する計画です。前期はニコンの新本社ビルや大阪・関西万博のサウジアラビア館、産業技術総合研究所のグローバル研究センターといった大型案件が集中したため、はく落影響を大きく受ける格好です。なお前々期と比較すると営業利益は45.8%増の計画であり、成長基調にあります。

【安藤・間の業績予想(26年3月期)】
・売上高:4410億円(+3.7%)
・営業利益:271億円(-23.1%)
・経常利益:265億円(-22.2%)
・純利益:180億円(-31.9%)
※()は前期比
※同第2四半期時点における同社の予想

出所:安藤・間 決算短信

今期は中間期まで決算が公表されており、売上高は前年同期比7.6%増、営業利益は同24.2%増となりました。通期予想に対する進捗率は売上高が45.6%、営業利益が44.6%となっています。ゼネコンは下半期に業績が偏重する傾向にあることから、消化はおおむね順調といえるでしょう。

将来の業績の源泉となる受注高は1592億円と、前年同期比で16.1%減となりました。減少は土木が同39.9%減と大きく、建築も同7.5%減でした。受注も前期の大型案件が影響しており、前々期比では11.8%増の水準です。

なお、受注高は通期では前期並みを計画します。書き入れ時の下半期で受注を伸ばし、目標の達成を目指します。第3四半期の決算は2026年2月12日に公表の予定です。