グループ本体でも不適切会計 焦点は調査結果に

エア・ウォーターで発覚したのは損失の先送りです。25年7月に自主点検を実施したところ、子会社において在庫の不適切な会計処理が発見されました。同年9月には別の子会社2社のほか、エア・ウォーター本体でも確認され、いずれも同様の会計処理による損失の先送りが発覚します。

一連の不祥事を巡り、エア・ウォーターは11月に予定していた中間決算の公表を延期。代表取締役会長は辞任する事態となりました。同社は特別調査委員会を設置し調査を進めると同時に、経営改革委員会を新設しガバナンスの強化に取り組む方針です。

【エア・ウォーターの不適切会計を巡る経緯】

・7月:子会社で損失の先送りを発見
・9月:エア・ウォーターのプラントガス部および子会社の2社でも発覚
・10月9日:不適切会計を公表、特別調査委員会を設置
・10月10日:4件の影響額が25億円と公表
・11月13日:経営改革委員会を設置
・12月3日:代表取締役会長が辞任

次の焦点は影響の範囲です。発覚した金額は現時点で25億円にとどまります。営業益で750億円を稼ぐエア・ウォーターにとって、この金額で収まるなら影響は軽微といえるでしょう。想定される内部統制の強化に伴う費用を含めても、致命的なダメージには至らないと考えられます。

ただし、影響額は増加する可能性があります。調査は現在も続いており、同様の事例がより広い範囲で発覚する展開もゼロではありません。さらに、意図的なものと認定されれば金融商品取引法といった各種の法令に抵触する恐れもあります。

株式市場は企業に寛容な面もありますが、会計を巡る不祥事には敏感です。仮に影響が広範なものとなれば、株価のさらなる下落が想定されます。

同じく不適切会計で揺れるニデック(旧・日本電産)は東証から特別注意銘柄に指定されていますが、エア・ウォーターには同様の措置は実施されていません。しかし、投資により強い注意が必要という点では同様です。株価の下落はチャンスでもありますが、当面は慎重に判断したいところです。