チェックすべきは「業績、自己資本比率、キャッシュ・フロー」
ここで見るのは、何よりも「業績が伸びているか」ということです。売上高や経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の推移を見れば、伸びているかどうかは一目瞭然です。ニトリのようにどれも右肩上がりなら言うことはなく、ジグザグだったり売上と利益の推移が一致しなかったりした場合は、読み進めることでその原因を探ることになります。
ここで明らかな特殊要因もなく売上・利益ともに右肩下がりの企業は、そもそも長期投資の対象になりません。5年間ダメダメなのに何も手を打たないということは、これからも伸びる可能性は低いからです。この基準でスクリーニングするだけでも、余計な時間をとる必要がなくなります。
次に見るのは「自己資本比率」ですが、これは明確に何%以上ならよいというものではありません。業種やビジネスモデルによって異なりますし、低いから一概に悪いということもありません。利益が出ているならやがて改善していくものですから、極端に低く下落傾向でなければ問題ないと考えてよいでしょう。
業績や財務とあわせて重要なのが、「キャッシュ・フロー」です。キャッシュ・フローは「営業活動」「投資活動」「財務活動」に分けられます。理想的なのは、ニトリのように「営業活動」から「投資活動」を引いた「フリー・キャッシュ・フロー」がプラスを続けていることです。要するに、これは時間の経過とともに金庫のお金が増えているということですから、配当も増えやすく、今後の成長投資に振り向けることもできます。
ただし、これがマイナスだから一概に悪いということでもありません。「投資活動」が大きいということは将来に向けた投資を行っているわけですから、それがいつか花開く可能性があります。成長中の企業だとこのようなパターンが多いのです。
