全国の販売会社の売れ筋に登場、注目が高まる「WCM」

楽天証券の売れ筋ランキングで第8位にランクインした「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」は、分配金利回りの高さで注目を集め、全国的な人気ファンドのひとつになってきた。2025年8月末時点での分配金利回りは34.46%になり、これは毎月決算型ファンドの中でトップの利回りだ。世界の成長株に投資する同ファンドの場合、分配金の原資はファンドで組み入れた銘柄の値上がり益が主な原資になると考えられる。予想分配金提示型である当ファンドの場合、基準価額が11000円以上12000円未満で1万口あたり200円、12000円以上13000円未満で300円、13000円以上14000円未満で400円などと分配金の水準を基準価額の水準に応じて決定している。分配金の金額が大きいということは、それだけ基準価額の値上がりが大きいということになる。実際に同ファンドの2025年9月末時点の過去1年間のトータルリターンは75.59%になっている。これは、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の22.37%や「iFreeNEXT FANG+インデックス」の47.40%をも大きく上回る。

同ファンドのパフォーマンスが良くなったのは、過去1年程度の期間だ。過去1年間の基準価額の推移と毎月の分配金額を「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」と比較するとその違いが際立ってみえる。「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」は1万口当たり毎月150円の分配金を継続的に出している。これに対し、「WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)」の分配金はその時々の基準価額の水準による。2025年9月の分配金は500円にまでなった。分配金を払い出してもなお基準価額が上昇し続けていることが、ここ数カ月で同ファンドが急速に人気化した理由といえるだろう。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩