「外国人が制度を支える意味、広く共有を」
有識者委員側からは、年金制度の支え手として外国人受け入れの意義について理解を深めるべきといった趣旨の発言が相次ぎました。
ある委員は「出生率が飛躍的に改善する前提で見るのは危ない」として、「出生率の改善だけでなく、就労年齢の引き下げや、ITの活用などによる生産性や効率性の向上にも力を入れていく必要がある」と発言しました。
また別の委員は、外国人排斥の論調が一部で勢いづいている現状に触れ、「出生率低下にブレーキがかからない中で、外国人が支えていることの意味を、国民にも広く共有しないといけない」と述べました。
外国人の受け入れをめぐっては、労働力不足の解消という論点がフォーカスされがちですが、今回の会合では社会保障制度を中長期的に支える存在という観点で議論の俎上に載せられました。
しかし委員から発言があったように、外国人の受け入れは政治的にセンシティブな論点でもあり、国民の理解を広げるにはハードルがあるのも事実です。社会保障審議会内での議論の方向は、世論の流れに加え、流動化する政治情勢の行方にも左右されることになりそうです。