ポジションが変わってきた「日経225」

三井住友銀行の売れ筋インデックスファンドの中では、「三井住友・225オープン」が9月になって大きな上値追いの動きになっている。世界の株式市場の中で、日本株の比率は4~5%程度を占めるに過ぎない小さな市場だが、日本の投資家にとっては「マザー・マーケット」であり、世界の市場で70%程度を占める米国株式と等しいくらいの金額を「国内株式」で保有している人もいるだろう。昨年末までは、米国株式が圧倒的な成績を残していたため、国内株式に投資している価値は、ほとんど感じられない状況だったが、9月に入ってからの動きは大きな楽しみが感じられる。

特に、9月になって意識されるのは、為替市場の影響だ。米国は9月に利下げをすることが確実視され、年内にもう一段の利下げという見方が強い。これに対し、日本は利上げの機会をうかがっている環境にあり、日米の金融政策の方向性からは、ドル安・円高方向への圧力がかかりやすいといえる。既に年初に1ドル=157円台だった為替相場の水準は9月に147円台にまで円高が進んでいるが、ここから一段の円高があってもおかしくない。そうなると、国内から米国株式や海外株式に投資している人は、為替の変化がマイナスに影響することも考えなければならなくなる。その点でも国内株式に対する安心感がある。日経平均株価は史上最高値を更新して高値圏にあるが、どこまで上値を伸ばせるのか注目されるところだ。

執筆/ライター・記者 徳永 浩