物価「20%以上上昇」の回答も
「1年後に、日ごろよく購入する品物の価格はどうなっていると思うか」という質問に全体の約半数が「10%以上上昇する」と回答している。内閣府の最新白書「令和7年度年次経済財政報告」(2025年7月29日公表)から分かった結果だ。中でも2割程度が「20%以上上昇」と回答している点は見逃せない。
予想物価上昇率の分布
年代別に見ると、50代、60代では約55%が10%以上の上昇を予想しているのに対し、20代では約35%にとどまっている。
また、20代では「変わらない」あるいは「低下」と答えた割合が約2割と、他の年代よりも高くなっている。
高齢者ほど「最近の物価上昇は今後も続く」と考える
次いでの質問「この1年で物価が大きく上昇したので、来年以降もその傾向が続くと思うか」に対しては、「強くそう思う」「ややそう思う」と答えた人が8割近くに達している。
適応的期待形成に同意する度合い (質問「この1年物価が大幅に上昇したので、きっと来年以降も当分、その傾向が続くだろう」に対する回答割合)
年代別では、20代が約3分の2であるのに対し、60代では85%と高く、年代による差が明確に表れている。このことから、高齢層ではこれまでの価格上昇の経験をもとに今後も物価が上がり続けると予想する傾向が強いと考えられる。
実感と予想は密接に連動している
続いて興味深い調査結果も明らかになっている。物価上昇の「実感」と「予想」は密接に関係しているということだ。
例えば、過去1年で20%以上の物価上昇を感じた人の約半数が翌年も20%以上の上昇を予想している。一方で3~5%の上昇を実感した人は、同程度の上昇を予想する傾向が4割弱と多くを占め、20%以上の上昇を予想する人はほとんどいない。
物価上昇率の実感と予想物価上昇率
この結果からは足元の物価動向に対する認識が将来の物価予想に大きく影響していることがよく分かる。