三菱アセット・ブレインズがまとめた2025年7月の公募ファンドの純資産残高は約119兆7982億円で前月比約4兆7062億円増加した。純資産残高は3カ月連続で増加し、前月に続いて史上最大を更新した。「外国株式型」の増加額は前月と同様に約3兆8121億円で残高は約70兆5533億円と史上最高を連続して更新した。また、「複合資産型」も約3665億円、「不動産投信型」は約1720億円、「国内株式型」が約1320億円の増加など、「国内債券型」(約96億円の減少)を除く全資産クラスで純資産残高が増加した。

資金流入額は約2070億円と前月(約5190億円)より減少し、6カ月連続で流入額は減額したが、20カ月連続の資金流入超はキープした。資産別には「外国株式型」(約4080億円)、「複合資産型」(約570億円)の順に資金を集めた。三菱アセット・ブレインズは、「『外国株式型』の資金流出入額の減少が顕著となっている。今年1月は約1兆8670億円の流入超を記録したが、当月は4080億円にとどまり、大幅な減少となった。2025年のNISA枠が利用可能となった年初には、一括投資の動きが強まり、これに加えて当時のドル円相場は1ドル157円前後まで円安が進行していた。しかし、その後は1ドル140円台で推移するなど、年初と比較すると円高傾向にあり、年初に一括投資した投資家にとっては含み損を抱える状況が長期化したものと考えられる」と昨今の状況を分析している(「投信マーケット概況」8月号より抜粋)。

 

「S&P500」の流入額が減少!? 流入額トップは「オルカン」に

流入額上位20ファンドでは、トップに「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」(流入額1528億円、前月1452億円)が上がった。第2位は「インベスコ 世界厳選株式オープン(ヘッジなし、毎月決算型)」(同1498億円、前月1115億円)、第3位が「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(同921億円、前月1034億円)だった。「インベスコ 世界厳選株式オープン(ヘッジなし、毎月決算型)」への資金流入額の拡大が目立っているとともに、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」への流入額の減少が注目される。

「S&P500」連動型インデックスファンドは、「楽天・プラス・S&P500・インデックスファンド」(同152億円、前月168億円)、「iFree S&P500インデックス」(同95億円、前月93億円)なども低調で、「SBI・V・S&P500インデックスファンド」は前月の113億円から、今月はトップ30にも入らない(30位の流入額は75億円)ほどに流入額が減額している。

一方、第5位にあがった「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド D」は前月の流入額249億円が今月は472億円へと急増し、第7位に上がった「東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)」も前月の76億円が229億円になるなど、資金流入額の増加が目立つファンドがある。「S&P500」連動型インデックスファンドや「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」などに替わって人気化しているようで、外国株式型ファンドの中で人気ファンドに変化が起きているようにみえる。