フラット35とは

フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する最長35年の全期間固定金利の住宅ローン商品だ。主な特徴としては先述した選択理由にも合致するが、以下の内容が挙げられる。

1. 借入時の金利が返済終了まで変わらない全期間固定金利型
2. 最長35年の長期返済が可能
3. 繰上返済手数料が無料
4. 保証料・保証人が不要
5. 住宅の技術基準に関する審査がある
6. 「フラット35S」などの金利引下げ制度がある

特に金利が決まっている点は、将来の金利上昇リスクを考え、金利が変動することを避けたい利用者にとって大きな選択肢となっているようだ。

ほかの住宅ローンとフラット35の選択理由の違い

同調査では、フラット35以外のローン利用者にも同様に選択理由を聞いている。その結果、フラット35以外の住宅ローン利用者が住宅ローンを選んだ理由のトップは「金利の安さ」で61.0%だった。

フラット35利用者の選択理由とは明確な違いがあるが、これは金利変動リスクに対する考え方の違いを反映しているといえそうだ。

また、フラット35利用者は「国の機関が提供する安心」や「建物の審査がある安心」といった安全性・安心感にも重きを置いている傾向が強い。一方で、フラット35以外の住宅ローン利用者は「団体信用生命保険の保障内容」や「ペアローン・収入合算の利用」など実利的な条件を重視している傾向にある。

どのローンタイプを利用するかは個人のライフスタイルやリスク許容度、返済への考え方などによって違ってくる。多様な選択肢から自分が重視する優先度を見極め、今だけでなく将来も見据えて計画的に選択することが不可欠だろう。

調査概要 調査名:「住宅ローン利用者の実態調査 【住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)】」 調査主体:住宅金融支援機構 公表日:2025年6月27日 調査期間:2025年4月30日~5月12日 調査対象:2024年10月~2025年3月までに個人向け住宅ローン※の借り入れをした1397人(全国20歳以上~70歳未満、学生・無職除く) ※借換、リフォームローン、土地のみローン、投資用ローン除く)