昨今、インデックスに「警鐘を鳴らす」系の言説も…

さて、人気者にはアンチが必ず出現します。

実際、eMAXIS Slimシリーズの米国株式やオール・カントリーの人気ぶりが目立ち始めたあたりから、「インデックスファンドの一局集中人気は問題がある」とか、「オール・カントリーといっても60%以上は米国株式投資であり、このような集中したポートフォリオは危険だ」といった意見も目立つようになりました。

もちろん投資ですから、さまざまな意見があるのは、決して悪いことではありません。市場参加者全員が全く同じ方を向いたりしたら、それこそバブルが発生して危険です。さまざまな見方があり、さまざまなポジションを取るからこそ、マーケットは正常でいられます。

では、「インデックスファンドの一局集中人気は問題がある」とか、「オール・カントリーといっても60%以上は米国株式投資であり、このような集中したポートフォリオは危険だ」という意見を、ここ1年にわたって言い続けてきた人の運用成績は、どうなっているのでしょうか。「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」のそれと比較してみたいと思います。

取り上げるファンドは、昨年4月から運用がスタートした、なかのアセットマネジメントの「なかの世界成長ファンド」です。

同ファンドは現在、6本のグローバルポートフォリオを持つファンドに分散投資するファンド・オブ・ファンズ形式で運用されているアクティブファンドです。アクティブファンドは、運用者の裁量によって投資対象、組入比率を調整して期待αを生み出し、市場βを超えるリターンを目指します。

一方、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)への連動を目指したポートフォリオを構築して運用されるインデックスファンドです。インデックスファンドなので期待αは追求せず、もっぱら市場βに対する高度な連動率の維持を目指します。