次の成長期待を高めるインド株ファンド
ワイエム証券の売れ筋ランキングで第4位に上がった「イーストスプリング・インド株式オープン」は、パフォーマンスの面では米国株やグローバル株ファンドなど、先進国に投資するファンド群に対して劣後した運用成績になっている。インドは米国への輸出比率は決して高いとは言えないものの、やはり関税という新たな負担の増加には脆弱(ぜいじゃく)な部分があるとみなされているのかもしれない。米国が相互関税の交渉期限として設けた8月1日が近づいても、インドと米国の間の交渉合意が見えてこないことを嫌気して7月下旬にインド株価が弱くなっている。
それでも、世界最大の人口を抱え、その多くが生産年齢人口であることから人口ボーナス期を迎えているインドについては、今後の成長期待が大きい。ワイエム証券の売れ筋ランキングでも第4位に「イーストスプリング・インド株式オープン」が入っている他、第10位にも「イーストスプリング・インド株式ファンド(3ヵ月決算型)」が入っている。インド株ファンドは、2024年には、インド経済への期待から株価が割高な水準にまで値上がりし過ぎたとみられて調整局面を余儀なくされてきた。その調整はいまだ続いているが、米国株式や欧州株式など先進国株式市場が史上最高値を更新していく中で、相対的な出遅れ感も出てきている。中長期の目線では、パフォーマンスが良くないからこその「逆張り」の発想で出遅れたインド株ファンドを購入するということもあるだろう。
執筆/ライター・記者 徳永 浩