◆分配型ファンドの魅力とは?

「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド」は、日本を除く世界の株式上場企業の中から、「真の成長機会を発掘する」という考えのもとで、中小型株式にも積極的に投資する姿勢を持っている。「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース」のトータルリターンは2025年5月末時点の過去1年間で9.37%であり、これは同期間の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の4.77%を上回っている。あらかじめ基準価額の水準によって分配金額を決めている予想分配金は、基準価額が11000円以上12000円未満で1万口あたり200円、12000円以上13000円未満で300円、13000円以上で400円だが、同ファンドでは2025年になって、1月と2月が400円、3月が100円、5月に200円を分配した。合計で1100円の分配金を払い出している。

「インベスコ 世界厳選株式オープン為替ヘッジなし(毎月決算型)」は日本を含む世界の株式市場から「成長」「配当」「割安」の観点で「世界のベスト」といえるような銘柄を厳選して投資している。同ファンドの5月末時点のトータルリターンは過去1年間で6.80%と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の4.77%を上回っている。毎月決算型として安定的な分配金を払い出しており、2025年は毎月1万口当たり150円の分配金を継続している。5月末までに750円を払い出している。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の売れ筋アクティブファンドは、ともに毎月の分配をめざすファンドであり、このためNISA(少額投資非課税制度)の対象外のファンドとなっている。分配頻度が高いファンドについては、「たこ足分配」の批判があり、資産形成にはふさわしくないという理由でNISAの対象から外れているのだが、投資信託を購入する理由は「資産形成」がすべてではない。資産の有効活用を考えて「運用して増やしながら使う」という発想で購入している人もいる。

特に、年金暮らしの高齢者にとって、近年の物価高は日々の生活の圧迫要因となっている。資産から得られる収益金を安定的に取り崩して生活費にあてたいというニーズは小さくないだろう。2026年1月にも導入される計画の高齢者向けの「プラチナNISA」では毎月決算型のファンドも対象商品になる見通しだ。「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース」や「インベスコ 世界厳選株式オープン為替ヘッジなし(毎月決算型)」のように安定した運用成績を残すファンドの需要は一段と高まることになるだろう。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩